三菱自動車のスタリオンは、1982年にデビューしたクーペのスポーツカーです。初期はGXというノンターボのモデルもありましたが、ほとんどがターボでした。スーパーカーブーム時代に小学生を過ごしたスーパーカーブーム世代では、ランボルギーニカウンタックLP400やLP500、フェラーリ512BBなど、普段はライトが隠れていて、点灯の時に上がってライトが見えるようになるリトラクタブルライトは憧れでした。当時は、リトラクタブルライトという言葉は知らず、「隠しライト」と呼んだものですが、京都だけでしょうか。
1. 残っているものはほとんど2600GSR-VR
近年では、オーナーも非常に少なくなり、オフ会で集まっても、ほとんどが最終モデルの、2600GSR-VRです。これはブリスターフェンダーで、3ナンバーモデルであり、横が膨らんだ形です。そして、トルクが大きいです。エンジンはG54Bで、型式はE-A187Aです。一方、ブリスターフェンダーでない2000ccの5ナンバーモデルは、ナローボディと言われ、オフ会でも非常に少なくなりました。エンジンはG63Bなどで、型式はE-A183Aなどです。GSR-Vがまだその中では多く、GSR-IIIやGSR-IIなどはもっと珍しいです。 50台限定で販売された、ブリスターフェンダーであって2000ccのモデルは、E-A184Aで、これも貴重です。
2. スタリオンを維持するための部品は?
最近では、三菱にある部品も少なくなり、維持はなかなか大変です。これから買おうとする方は、それなりの覚悟が必要かもしれません。
3. スタリオンに乗っていると話しかけられる?
スタリオンは50代以上の男性で分かる人がいる、という程度です。スーパーマーケット、ドラッグストア、ディスカウントストアなどに置いておくと、戻ってきたら、酒を片手に1時間ほど車の話に付き合わされた、ということもありますが、今の車にはない体験と言えるでしょうか。少なくとも、話しかける人は、みな、「珍しい、貴重だ」、とやや興奮気味の方もおられるため、その方を楽しませることができた、という点で、良いことをした、ということになるでしょうか。 昭和の車ですので、100km/hを過ぎると、キンコン、キンコン、と鳴ります。平成以降の方には、なんのこっちゃ、というところですが。
4. スタリオンが普通の車と違うところ
サイドブレーキを引いたら、蛍光灯が点滅するのが普通の仕様だったり、ハンドルの右のスイッチはライトのボタンでなく、回してワイパーONだったりします。 走行については、以前、と言っても20年ほど前ですが、「懐かしい、懐かしい、重厚な加速だ」と言われ、「今の車は、加速が軽いんだよね−」と言われました。運転や走行については普通に速いですし、加速も良いです。
5. スタリオンの燃費
燃費は、ハイオクで6〜9km/Lほどでしょうか。以前、高速道路メインで、12km/Lを叩き出し、満タンから空に近くなるまで、驚異の650km走行ということもありました。普段は300kmもいかないくらいです。
6. スタリオンが登場する映画
スタリオンは、1990年に販売終了し、GTOが発売されました。GTOはもともと三菱3000GTというだけあってか、大きいです。スタリオンは、あまり売れませんでしたが、小型で室内も広い、良い車です。ジャッキーチェンが映画「キャノンボール2」(1983、1984年)の中で乗ったことで、有名です。あまり知られていないかもしれませんが、1989年の映画「ゴジラ vs. ビオランテ」で三田村邦彦さんが運転するジープとともにカーチェイスをした後、ひっくり返ってしまう、というシーンがあります。ナローボディ、ゴールドのツートンカラーです。個人的には、とてももったいないという思いでした。この車は、おぎやはぎの愛車遍歴にも登場しませんね。アメリカでは「コンクエスト」の名で販売されました。
7. スタリオンを購入するには?
スタリオンは、中古車市場では高騰し、200万円以上がほとんどです。


